| アナリア・セガルはアルゼンチン生まれのアーティストで1999年からNYで主に活躍し、最近は欧州各地でも展覧会を行っている。彼女は建築要素の壁面とアートとの関係をタイルも使い表現し、インスタレーションを中心に展示している。
アナリアは言う。彼女の作品の壁面は人体がその生息地とからまりあう場所。官能と理性が共存し闘う場所。その作品は建物の一部として織り込まれ、鑑賞者と遭遇した瞬間に生命を呼び覚ます。その時、ギャラリーの空間は公共の場における最もプライベートな領域になる。
壁面の表面を少しいじることで、内部と外部との関係が曖昧となり作品の持つ人体感覚がよりハイブリッドな朦朧たる感覚を呼び覚ます。壁面の肉感は肉体の壊れやすさと建築物の永続性の対比を強く意識させる。すなわち彼女の作品は建築的なセッティングのなかでちょっとした操作をし、変化させ鑑賞者の感覚を揺り動かしたり呼びおこすのである。
彼女は個々の作品に名前を(苗字ではなく)つける。個人としての名前を得た作品は鑑賞者にその名前に関連した記憶を呼び覚ます引き金となり、鏡のように何かを映し出す。我々は外部環境を弄るが、またその環境に我々も弄られていることを理解するだろう。
彼女は今回の作品に日本人の名前をつけることを提案してきた。
日本文化とはじめて遭遇する作品の普遍性を確信して、あえて日本名を取り入れた。アナリア・セガルの作品は普遍的で新鮮な感覚を呼ぶ。
四角い空間で壁面を見つめ黙想するとき、我々には何が去来するか楽しみである。
初めての日本での展示、しかも新作品。期待は大きい。
馬場隆子
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