工房”親”
  Gallery KOBO CHIKA
 
CORRESPONDENCE/LANDSCAPE
広田敦子 Atsuko HIROTA
020818-1-21
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021207-2-8

子供の頃に住んでいた町は、田んぼばかりが広がる中にぽつんと団地が立っているところでした。私が小学校にあがるくらいから、春が来るたびに、田んぼは少しずつ宅地へと変わっていきました。雑木林はテニスコートとなってしまいました。そんな風景を前にして、私は自分の無力さを思いました。

今私が写真という表現を用いているのは、そういう子供の頃の体験と無関係ではないと思います。あらゆるものが上を目指すなら、私たちを取り巻く風景は、都市を覆う強固なコンクリートさえも、やがて流れに呑込まれ水底に沈んでいくのでしよう。光が届かなくなる前にそれらの痕跡を残そうと私はカメラを手にするのです。それは自分の現在地を確かめる作業でもあります。

膨大に流れ行くもの・ことの中で私が選びとり定着させた画が、一秒にも満たない時間を留めた画が、果たしてどれほどの意味をもつのか考えると、子供の頃に感じた無力さは依然として自分のものであり、立ち止まりそうになることもあるけれど、私たちが見ているこの風景があらゆる時間の堆積物ならば、この画もそのひとつとなることを願います。  

◆経歴

1974年生まれ。

九州大学工学部建築学科卒業。

大学卒業後写真をはじめる。現在、雑誌・写真集にて写真および文章を発表。

◆個展

year gallery
2002.11 東京写真文化館

◆グループ展

year gallery
2004.06 工房”親”
2004.06 ギャラリーHORI
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