一条 美由紀 Miyuki Ichijo
今回”紙という実に身近なテーマを与えられた時、
安価で扱いやすく、私を楽しませてくれた子供時代を思い出した。
紙を使った遊びの中で、紙の着せ替え人形がある。
今歳を重ね、単に着せ替え遊びをするということではなく、
頭に浮かんだイメージを描き、そこに更にイメージを重ね、
またそのイメージを取り外したりする行為によって、
何か見えるような気がし、試してみたくなった。
クボタタケオ
今回は紙ベースの写真をタブローの範囲として解釈した。
写真とメッセージ、そして紙のブロックによる構成。
紙は白紙が原点で、そこには総てのイメージの起点と拡張がある。
コロナ禍は我々に様々な問題意識を投げかけた。
命と生き様そして社会の在り方も問われた。
そう、これから「どうすれば?何をするか?」
気候変動、国際情勢不安や核、食料、格差等々が切実な眼の前の
課題として立ちはだかる。
小林翼 Tsubasa Kobayashi
紙は柔らかく素朴で自然を感じます。絵画の素材の中では、素朴で儚い印象です。しかし扱ってみると、粘りつよく答えてくれます。
自己主張も激しく、扱いになれていないとヘソを曲げてしまいます。それゆえ、個性的で面白みがあります。
もろく儚い姿の中に強さがあり、とても好きな素材です。他の素材と組み合わせると、紙の良さが際立ちます。
静かな空気と強く柔らかな印象は私の表現したいことに答えてくれます。
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作間敏宏 Toshihiro Sakuma
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パラフィン紙や亜麻仁油紙のような薄い油紙には、日焼けで剥けた皮膚(=身体の転写)のような肌触りがあり惹きつけられます。
いっぽう、人の名前をフロッタージュで紙に転写する行為には、その人を手探りで記憶しているような感触があります。
うっすらと向こう側をほのめかすフラジャイルな皮膚=紙が、
何人もの人の記憶を畳み込みながらさまざまなトーンをつくって積層してゆく──紙をめぐってそうしたことを考えています。
中谷真理子 Mariko Nakatani
作品に使用した「紙」は、学校などで実際に使用された学習プリント、テスト、教材等です。
印刷や書き込みのされたこれらの「紙」は、日常的に使われているありふれた「紙」ですが、
日本の教育環境にまつわる様々な事象が潜む「特別な紙」としてフィーチャーしています。
貼り絵のような手法で、描きながら造形した「紙」にペイントする、という2つの描くという行為でできた作品は、
既成概念への問いとして、造形物的なもの、絵画的なものの狭間を探索する試みです。
それは「特別な紙」を解体し、再構築するスピリットに通じています。
▼展覧会概要
展覧会名 絵画を考える ー紙を想うー
会期 2021年11月13日(土) - 11月28日((日))
開廊 水 - 日 12:00 - 19:00
(日曜祝日は18時まで。展示最終日は17:00まで。)
休廊 月・火
会場 工房親
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 2-21-3
TEL / FAX 03-3449-9271
交通 地下鉄日比谷線「広尾駅」2番出口 徒歩6分
JR山手線「恵比寿駅」西口 徒歩15分
渋谷より都バス06 新橋行・赤羽橋行「広尾5丁目」下車 徒歩3分
「恵比寿駅」より都バス 田87 田町駅前 行 「恵比寿2丁目」下車 徒歩4分
Website https://www.kobochika.com